映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・キャット」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマーティン・シュミット監督の「ザ・キャット」に
感謝を捧げようと思います。
スティーン・ラングストロップの小説「KAT」を
もとにして作られた本作は
ヒロイン映画の香りを放つホラー映画であります。
ホラー的残酷描写よりも
人間の「マイナス感情」に引き寄せられた悪霊と
不運の連鎖がもたらすヒロイン&猫の変貌に
重きを置いた作風は
私に「トラブル」の持つ連鎖性&引力が人間に与える影響を
モンスター映画的に表現する妙技を目の当たりにする機会をもたらしました。
(軽量映画史上最大級の「ハッタリ宣伝」が成されている点と
ホラー映画の王道とサクセス・ストーリーの気配が混ざり合う
奇妙な幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「デンマーク流女性&化け猫映画」と呼びたくなる
一作であると言えるでしょう。
陰鬱なるデンマーク映画気質と王道的愛憎劇の融合によって
怪談の悲劇性とホラーの見世物性を兼ね備えた作品となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。