映画に感謝を捧ぐ! 「トカレフ(2013年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はパコ・カベサス監督の「トカレフ(2013年版)」に  感謝を捧げようと思います。  娘の敵を捜す男と  仲間たちの運命を描いた本作は  仇討ち映画の王道と不条理性がせめぎ合う  不思議な作品であります。  主人公一行の過去・先入観・暴力性が  状況が悪化させ、周囲の人間を不幸にしていく現象を  アクション映画的描写を多用しながら描くという試みは  私に「復讐の愚かしさ&因果応報」をアクション映画的に表現する手法の一形態と  極限状況において理性を保つことの大切さを  目の当たりにする機会をもたらしました。  (勧善懲悪的な決着となっているにもかかわらず  ハッピー・エンドではないという  特殊な幕切れも見逃せません。)  まさに「因縁系仇討ち映画」史上屈指の怪作であると言えるでしょう。  演技派から「仇討ちアクション俳優」へと変貌していくN・ケイジの姿と  西部劇&極道映画の流れを汲むストーリーが  時間と共に「暴力的ブラック・ユーモア」へと変化していく姿に驚かされる本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。