映画に感謝を捧ぐ! 「ボーイズ’ン・ザ・フッド」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・シングルトン監督の「ボーイズ’ン・ザ・フッド」に
感謝を捧げようと思います。
1980~90年代のサウス・セントラルで暮らす
人々の運命を描いた本作は
娯楽的軽快さと社会派の重みをバランス良く配合しながら
「アフリカ系アメリカ人社会」の光と闇を写し出す
驚異の半実話系日常劇であります。
戦争とは異なる形で「暴力&憎悪」が日常化した世界を
ホームドラマ・青春映画・極道映画を融合させたかのような手法で
描くという試みは
私に、暴力&腐敗の連鎖が発生する構造と
アフリカ系アメリカ人文化の一端を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(冷徹なまでのクールさで
絶望と希望が並び立つ幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「アメリカ流不人情劇」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。
無関心と悪意によって「静かなる自滅」に向かう世界の中で
不器用に「愛」を求める男たちの姿に心打たれる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。