映画に感謝を捧ぐ! 「湯殿山麓呪い村」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は池田敏春監督の「湯殿山麓呪い村」に  感謝を捧げようと思います。 山村正夫の同名小説をもとにして作られた本作は  優等生的な手法で反優等生ぶりを発揮する  驚愕のサスペンス映画であります。  観光旅行映画風サスペンスと因縁系ホラーを抱え込み  バランス感覚や論理性を気にしない勇猛さと  娯楽的ポイントを的確に抑える堅実さを兼ね備えながら突き進む  ストーリー・演出・キャラクターが繰り出す  死臭漂う「約180年の人間模様」は  私に、サスペンスとホラーを結ぶ「見えざる絆」の存在と  人知を越えた「運命の結びつき」に圧倒される機会をもたらしました。  (サスペンス以上まれに見る「無敵度」を感じさせる真犯人を  静かに登場させる幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに、日本流「不条理系サスペンス・ホラー」の強豪作であると言えるでしょう。  バランス感覚の枠に囚われずに「王道」を混ぜ合わせる作劇法によって  「強引でありながらも論理性を感じさせるミステリー」と化した本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。