映画に感謝を捧ぐ! 「ボディクルージング」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマイケル・フォックス監督の「ボディクルージング」に
感謝を捧げようと思います。
カリブ・クルーズに参加した男女の運命を描いた本作は
イタリア風味とR・メイヤー風味が混ざり合う一作であります。
細切れ的に存在する「個々のエピソード」をつなぎ合わせて
ストーリーに仕立て上げる手法
重厚感や神秘性を抑制する「明瞭極まる映像」
情緒を廃した即物的エロティシズムが一体となる光景は
私に「色彩が物語のムードに与える影響」と
「性描写とエロティズムの複雑な関係」について
考えさせられる機会をもたらしました。
(論理性の枠を完全に打ち破った「急加速的ハッピー・エンド」が
どんでん返しサスペンスとは異なる驚きをもたらしている点も見逃せません。)
まさに「ポルノ系観光旅行映像」の極限形態を示した
作品であると言えるでしょう。
アクション&ホラー映画的な作劇法とAV的な映像&音楽が
鑑賞者の忍耐力&寛容さを鍛えつつ
大衆食堂的欲求のブラック・ユーモア性をえぐり出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。