映画に感謝を捧ぐ! 「ハミングバード」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はスティーヴン・ナイト監督の「ハミングバード」に
感謝を捧げようと思います。
逃亡犯となった兵士「ジョセフ・スミス」の数奇な運命を描いた本作は
アクション映画史上まれに見る「つかみ所の無さ」を誇る作品であります。
極道映画・仇討ち映画・反戦映画・人情劇の世界を
娯楽的要素を抑制しながら渡り歩くストーリー&演出と
肉弾戦重視系のアクション・シーンが一体となる光景は
私に「各種映画要素」を詰め込むことによって
単純な物語が複雑化していく現象と
暴力を日常化した人間の宿命を目の当たりにする機会をもたらしました。
(意図的に「結論」を曖昧化した幕切れが
鑑賞者の想像力を刺激すると同時に
続編への欲求を醸し出している点も見逃せません。)
まさに「ジャンル放浪型アクション映画」屈指の怪作であると言えるでしょう。
情報過多による緩慢化した物語が「暴力の空しさ&愛の力」を鮮明化する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。