映画に感謝を捧ぐ! 「輝きの海」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はビーバン・キドロン監督の「輝きの海」に  感謝を捧げようと思います。  ジョセフ・コンラッドの小説「エイミー・フォスター」を  もとにして作られた本作は  史劇と軽量娯楽映画の味わいが  絶妙のバランスで共存する作品であります。  小市民気質と排他精神に支配された世界で  孤独な日々を生きる男女を  自然美溢れる映像・生活感を感じさせる俳優・女優陣  舞台的手法を組み合わせながら描くという試みは  私に、ホラー映画とは異なる「怪奇恐怖」  異文化交流の難しさ・ファンタジーに説得力を与える方法  映像の美しさが人間の醜さを鮮明化する現象を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (「運命」をポジティブに受け止める精神と  他者に対する寛容さに溢れた幕切れが  「悲劇」を声高に強調する作品からは得られない  穏やかな感動をもたらしている点も見逃せません。)  まさに「恋愛映画」風のムラ社会論と呼びたくなる一作であると言えるでしょう。  美男美女のロマンス・絵画的ムード・社会風刺がバランス良く配合された本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。