映画に感謝を捧ぐ! 「フェアリーテイル(1997年版)」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はチャールズ・スターリッジ監督の「フェアリーテイル(1997年版)」に  感謝を捧げようと思います。 1916年のイギリスで起きた「コティングリー妖精事件」を  もとにして作られた本作は  史劇・人情劇・童話の魅力が混ざり合う実話系映画であります。  1910年代後半のイギリス事情と  ファンタジーの住人たちが共存するストーリーと  歴史大作的手法・SF的特殊効果・ホームドラマ的人間模様を  使い分けながら描くという試みは  私に「神話が生まれる根源・異世界交流の難しさ」と  「現実社会と幻想美の平和的共存」の一形態に  触れる機会をもたらしました。  (ファンタジーから「現実的ハッピー・エンド」へと転じる幕切れが  人生の通過儀礼を感じさせる点も見逃せません。)  まさに「実話系おとぎ話」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。  不穏な時代に光を与えた「妖精騒動」を  上品さとユーモアを失うことなく描ききった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。