映画に感謝を捧ぐ! 「ペンチャー・ワゴン」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョシュア・ローガン監督の「ペンチャー・ワゴン」に
感謝を捧げようと思います。
アラン・J・ラーナー&フレデリック・ロウのミュージカル
「ペイント・ユア・ワゴン」をもとにして作られた本作は
時代の潮流と伝統文化への愛・宗教的倫理と野性的本能がせめぎ合う
ミュージカル西部劇であります。
1960年代後半に衰退期を迎えた
王道系西部劇&ミュージカルが手を結び
アウトロー風味を取り入れながら突き進んていく光景は
私に「時代の過渡期」に生きる人々の思いと
男臭と上品さが混ざり合うことによって生じる化学反応を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(教訓劇+災害映画に舵を切りつつ
正統派西部劇&青春映画の香り漂う幕切れに向かう流れが
時代の変化に抗ってでも「我流」を貫こうとする人々を
象徴している点も見逃せません。)
まさに、アメリカ映画界の「伝統防衛隊」の一翼を担う
一作であると言えるでしょう。
L・マービン&C・イーストウッド+ミュージカルという
大胆不敵な発想と
アメリカ流大作映画の法則が融合する事によって
1960年代後半の「アメリカ映画事情」の一端を映し出した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。