映画に感謝を捧ぐ! 「この子の七つのお祝いに」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は増村保造監督の「この子の七つのお祝いに」に
感謝を捧げようと思います。
斉藤澪の同名小説をもとにして作られた本作は
女性力・猟奇性・メッセージ性が闇鍋的に詰め込まれた
脅威の怪作サスペンスであります。
怪談と推理劇の特性を豪快に融合させたストーリー
豪快なる残酷描写・人々に親しまれた童謡の「怪奇的活用」
場違いなまでに情緒のある音楽
岩下志麻&岸田今日子の七変化的怪演が
バランスの枠を無視して融合する光景は
私に、理不尽な真相を「論理的」だと感じてしまう現象
環境と人間の危険な関係・ミステリー&ホラーにおける哀しみの重要性を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(主人公の内面世界を映像化したかのような幕切れが
ハッピー・エンドとも悲劇にも与さない「孤高さ」を
感じさせる点も見逃せません。)
まさに「因縁系怪奇映画」史上屈指の凶悪さと哀愁に満ちた
作品であると言えるでしょう。
壮絶なる精神的残虐性・哀愁・情緒溢れる狂気に
圧倒される本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。