映画に感謝を捧ぐ! 「こねこ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はイアン・ポポフ監督の「こねこ」に
感謝を捧げようと思います。
モスクワ在住のトラ猫「チグラーシャ」と
彼?を取り巻く人々の運命を描いた本作は
国策系にも反逆系にも属さない
穏健なるロシア映画であります。
日常系・アクション・コメディを積み込んで
緩やかに進行していくストーリーと
動物たちの熱演・勇壮にして上品な音楽
技巧的且つ穏やかな映像表現によって
一体となる光景は
私に映画の総合芸術性・日常に潜む冒険要素
猫と人間の共通点&相違点
犯罪的行動をユーモアの衣で包み込むことによって
「笑って許せる風景」へと変化させる妙技を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(アメリカ映画的脳天気さとヨーロッパ映画的渋みが
バランス良く配合された幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ジャンル融合型動物映画」の静かなる強豪作であると
言えるでしょう。
ワイルド且つ情のある猫たちの勇姿と
和やか且つスリリングなストーリー&演出によって
1990年代後半の「ロシア」を写し出す本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。