映画に感謝を捧ぐ! 「不意打ち」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はウォルター・E・グローマン監督の「不意打ち」に  感謝を捧げようと思います。
不意打ち [DVD]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2015-05-13

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 不意打ち [DVD] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル
自宅のエレベーターに閉じこめられた  女性の運命を描いた本作は    残虐な技巧&人間に対する厳しすぎる目線によって  映画史の闇に封じられた  空間限定型サスペンス映画であります。  「都会」と言う名の原野をさすらう獣たちとの「交流」によって  自分自身に宿る「モンスター」に向き合う主人公を  サスペンス技巧・ホームドラマ的日常描写・ホラー的残酷描写を  組み合わせながら描くという挑戦は  私に「近代社会の潜在的残虐性」・「愛情の暗黒面」  空間的制約&状況説明の抑制が生む「精神的スケール感&スリル」を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (「ハリウッド流ハッピー・エンド」を凶暴且つ冷酷に皮肉ったかのような幕切れが  「死」に勝る恐怖&空しさを醸し出している点も見逃せません。)    まさに「都会派サスペンス」史上屈指の過激さと  技巧性を兼ね備えた作品であると言えるでしょう。  穏やかな日常風景によって「無関心の恐怖」を鮮明化する手法  人間の「暗部」のみで形成されたストーリー&キャラクター  映画倫理を挑発する描写の数々によって  「映画反抗期」の静かなる先駆けとなった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。