映画に感謝を捧ぐ! 「恐怖と欲望」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はスタンリー・キューブリック監督の「恐怖と欲望」に
感謝を捧げようと思います。
敵地を彷徨う兵士4人の運命を描いた本作は
後年のS・キューブリック監督作に通じる「意地悪さ」と
不条理文学性に彩られた戦争映画であります。
「狂気と正気のせめぎ合い」を具現化したかのようなキャラクター
技巧的な映像表現の数々
狂的な状況が淡々と進行していくストーリーが一体となる光景は
私に「娯楽的サービス精神を極限まで抑制する作風」の醍醐味と
静かに壊れていく人間の姿を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「ハッピー・エンドか悲劇が」を鑑賞者に考えさせる
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「道中系戦争文学」と呼びたくなる難解作であると言えるでしょう。
戦争礼賛と反戦メッセージが混ざり合った世界を
心の声を多用しながらも状況説明を拒見ながら描くことによって
脳機能を刺激する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。