映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・ストレンジャー(2010年版)」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はロバート・リーバーマン監督の「ザ・ストレンジャー(2010年版)」に  感謝を捧げようと思います。 記憶喪失の男と彼を追う人々の運命を描いた本作は  2002年の映画「ボーン・アイデンティティ」を  軽量映画的に活用したアクション映画であります。  凄まじいほどに細切れ的な映像・アクション・ストーリー展開が  主人公の不安定な記憶・精神・身体能力と調和する光景は  私に「映画的欠点と長所が紙一重の位置に立つ」現象と  「2010年代アクション・ヒーロー事情」の一端を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (西部劇風味の中に「シリーズ化への思い」を秘めた  微笑ましい幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「記憶喪失映画」史上屈指の荒々しき珍味であると言えるでしょう。  状況に応じて能力値が変化する主人公・恋愛に発展しないヒロイン  スケール感を抑制された敵役・定番要素を詰め合わせた無難な物語が  映像テクノロジーの発展&映像的スピード感の追求が  アクション映画に与えた影響と  1990~2010年代の「スパイ映画事情」を体現する本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。