映画に感謝を捧ぐ! 「ベイビー・ブラッド」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアラン・ロバック監督の「ベイビー・ブラッド」に  感謝を捧げようと思います。  謎の生命体に取り憑かれた女性「ヤンガ」の  運命を描いた本作は  悪趣味と人情が交錯するホラー映画であります。  即物的を極めんとするかのような残酷&性描写の連打  時間とばしによるスケール感の暴走  モンスター・ホラーと子育て映画を融合させたかのようなストーリー  「被害者」でありながらも同情を感じさせない男性キャラクター  奇襲的に繰り出される技巧的映像&ユーモラスな音楽が  一体となる光景は  私に「妊婦」の心理を悪趣味ホラー的に加工することによって  モンスター映画とホームドラマが並び立つ現象を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (怪奇恐怖とサクセス・ストーリーの魅力が  奇妙なバランスで共存する幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「子育てホラー」の歴史に輝く怪作であると言えるでしょう、  1968年の映画「ローズマリーの赤ちゃん」&吸血鬼映画と  残酷趣味&ポルノ的お色気が融合することによって生を受けた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。