映画に感謝を捧ぐ! 「水戸黄門(1957年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は佐々木康監督の「水戸黄門(1957年版)」に  感謝を捧げようと思います。  直木三十五の小説「黄門漫遊記」を  もとにして1957年に作られた本作は  東映流と講談流が相まみえし時代劇映画であります。  長きにわたって語り継がれた「水戸黄門系」の伝統  「スター」の魅力を引き立てる演出&作劇システム  「王道系チャンバラ」の魅力を貫く剣術アクションが  一対となる光景は  私に「大衆食堂&見世物小屋的サービス精神」の偉大さと  「正統派TV時代劇」の源流を  目の当たりにする機会をもたらした増した。    (後年の同名TV時代劇とは異なる  凶暴性を発揮する決着が  映画とTVの壁を感じさせる点も見逃せません。)  まさに日本娯楽史の伝統技を継承しつつ  「TV局主導映画」の構造を先取りした  歴史遺産的作品であると言えるでしょう。     説得力&存在感溢れる俳優・女優陣と  「娯楽的華やかさ」を持った映像作りへのこだわりが  荒唐無稽且つ単純明快な物語を輝かせる本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。