映画に感謝を捧ぐ! 「バトルフィールド・アビス」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はトレイ・ストークス監督の「バトルフィールド・アビス」に
感謝を捧げようと思います。
ハーマン・メルヴィルの小説「白鯨」をもとにして
2010年に作られた本作は
映画的ダイエットと継ぎ接ぎ精神に彩られたモンスター映画であります。
原作&1956年の映画「白鯨」の
ストーリー&キャラクターを2010年代風に変換した後
1990年の映画「レッド・オクトーバーを追え!」を加え
「暇つぶし規模」に縮小させようという試みは
私に「CGテクノロジーと男臭を共存させることの難しさ」と
「映画界の変化」を娯楽的に写し出す手法の一端を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(1956年版を踏襲しながらも
情緒をほとんど感じさせない幕切れが
便乗商品映画の雄「アサイラム」を象徴している点も
見逃せません。)
まさに「白鯨」のアサイラム的解釈として歴史に刻まれた
珍品であると言えるでしょう。
海洋冒険映画の雄「白鯨」と
アサイラムが出会うことによって生を受けた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。