映画に感謝を捧ぐ! 「アフター・クライシス」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョナサン・グレンディング監督の「アフター・クライシス」に  感謝を捧げようと思います。  核爆発を避けるために地下壕へと避難した  人々の運命を描いた本作は  ホラ吹き精神と小市民精神が奇妙なバランスで共存する作品であります。  状況説明台詞&赤重視のCGによる「国家の危機」ムードの生成  ヒーロー精神と庶民的やりとりを交互に繰り出すキャラクター  ホラー映画・テロ対策映画・災害映画が  論理性に縛られることなく融合し  凄まじいほどの軽やかさで進行していくストーリーが一体となる光景は  私に「暇つぶし規模のスリル&サスペンス」の醍醐味と  状況設定とストーリー展開のギャップがもたらす「無意識のブラック・ユーモア」を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (つかの間の安全を「万事解決のハッピー・エンド」で  あるかのように偽装する幕切れが  「スケール感をコントロールする」事の難しさを示している点も見逃せません。)  まさに「便乗商品映画」屈指の貪欲さと    社会派映画とは異なる過激さを  感じさせる珍作であると言えるでしょう。  「核」を題材にした映画史上まれに見るほどの緩やかさと  お化け屋敷風味溢れるモンスター造形が  馬鹿馬鹿しくも恐ろしい本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。