映画に感謝を捧ぐ! 「キリマンジャロの雪(1952年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はヘンリー・キング監督の「キリマンジャロの雪(1952年版)」に
感謝を捧げようと思います。
アーネスト・ヘミングウェイの同名小説をもとにして
1952年に作られた本作は
「007シリーズ」を先取りしたかのような主人公を
文芸大作風に描いた作品であります。
冒険的人生を生きた作家と
彼を取り巻く女性たちの運命を
スター映画・ラブストーリー・冒険映画
ホームドラマ・戦争映画の手法を
融合させて描くという試みは
私に「娯楽性と文学性の平和的共存」の一形態と
作家&作家の伴侶となった人間の
宿命を目の当たりにする機会をもたらしました。
(陰鬱なる状況を力ずくで吹き飛ばし
「ハリウッド流ハッピー・エンド」へと着地する幕切れが
アメリカ映画に対する「無意識の皮肉」となっている点も
見逃せません。)
まさに「ハリウッド流作家論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
E・ヘミングウェイの人生&作品を形成する要素と
ハリウッド流サービス精神が
結びつくことによって生を受けた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。