映画に感謝を捧ぐ! 「若妻の匂い」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はサルヴァトーレ・サンペリ監督の「若妻の匂い」に
感謝を捧げようと思います。
弁護士の妻となった女性と
彼女に仕えるメイドの運命を描いた本作は
静かなる妖気に彩られた女性映画であります。
ホームドラマ・ポルノ・ラブストーリー・社会派要素が
物語上のバランスを気にすることなく混ざり合うことによって
平穏でありながらも先の読みづらいストーリーが生成されていく光景は
私に「上流社会の退廃」を庶民的ムードで表現する技法と
抑圧された性的欲求が「理性」を破壊する恐怖&面白さを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(欺瞞的&背徳的ムードに溢れたハッピー・エンドが
ホラー映画的な余韻を感じさせる点も見逃せません。)
まさに「変態系ホームドラマ」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
「罪深き快楽」に目覚めていくヒロインを
青春映画的に表現することによって
サクセス・ストーリーに対する皮肉と
上流社会の内幕をのぞき見る楽しさを
兼ね備えた作品となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。