映画に感謝を捧ぐ! 「大列車作戦」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョン・フランケンハイマー監督の「大列車作戦」に  感謝を捧げようと思います。  ローズ・ヴァランの実話系小説「美術戦線」を  もとにして作られた本作は  子供心と大人社会の狂気が交錯する  異色の戦争映画であります。  「(子供の悪戯)的な妨害工作に命を賭ける」  「絵画のために多くの人命が失われる」という  ブラック・ユーモア的なストーリーと  「本物」を駆使したアクション・シーンの数々が一体となる事によって生じる  戦争映画的化学反応は  私に、「知略」によって弱者が強者を打ちのめす快感  観光旅行感覚・反戦メッセージ・芸術的狂気が入り交じった世界を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (主演男優B・ランカスターと敵役P・スコフィールドの  静かなる対決の後に訪れる「空虚なハッピー・エンド」が  アメリカ製娯楽映画に対する皮肉を放っている点も見逃せません。)  まさに「陰性スパイ映画」の香りに満ちた戦争映画であると言えるでしょう。  J・フランケンハイマー監督・B・ランカスターの名コンビによる  4作目の映画となる本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。