映画に感謝を捧ぐ! 「地獄の掟に明日はない」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は降旗康男監督の「地獄の掟に明日はない」に  感謝を捧げようと思います。 原爆症を患う暴力団幹部と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  他の東映極道映画とは一味違う「気配」を  感じさせる一作であります。  暴力渦巻く世界には似つかわしくない純真さ故に  時代の変化と組織の論理に翻弄される男の姿を  アクション映画・難病映画・人情劇の手法と  「長崎」の歴史を融合させながら描くという試みは  私に「殴り込み映画」とも「実話系極道映画」にも属さない  極道映画の味わいと  大衆食堂的娯楽と反戦メッセージの平和的共存の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (男臭溢れる俳優陣の中で光る  主演男優高倉健の「清純さ」と  アクション映画的ハッピー・エンドに背を向けた苦い幕切れが  極道の醜さ&空しさをより鮮明な者にしている点も見逃せません。)  まさに「詩情派極道映画」と呼びたくなる一作であると言えるでしょう。  降旗康男監督&高倉健の名コンビによる1作目の映画となる本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。