映画に感謝を捧ぐ! 「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はラッセ・ハルストレム監督の「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」に
感謝を捧げようと思います。
レイダル¥イェンソンの同名小説を
彼自身の脚色によって映画化した本作は
苦味と甘みがバランス良く配合された青春映画であります。
過激な性描写・残酷な運命・アウトロー的行動を
絵画的且つ穏やかに表現する手法は
私に「娯楽的サービス精神」を意図的に抑制した物語の味わいと
「人生の奥深さ・人心の光と闇」を説教臭をほとんど感じさせることなく
映画化する妙技を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドや悲劇が人生の一部に過ぎないということを
体現するかのような幕切れが
大作映画とは異なる「スケール感」を感じさせる点も見逃せません。)
まさに、考えながら見ることによって輝きを増していく
「純文学映画」の雄であると言えるでしょう。
人間の思惑に翻弄され
孤独な最期を遂げた「ライカ犬」への思いと
「人生の無常」に対して
穏健且つ勇敢な心で向き合う精神に心打たれる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!。