映画に感謝を捧ぐ! 「紅塵」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はヴィクター・フレミング監督の「紅塵」に  感謝を捧げようと思います。 ウィルソン・コリソンの同名舞台劇をもとにして作られた本作は  映画の過渡期が生んだ過激派恋愛劇であります。  「C・ゲイブル&J・ハーロー主演のスター映画」という衣の中に  東洋人差別的な描写・背徳的男女関係    1930年代基準における「過激な性描写」を潜り込ませるという試みは  私に「時代の倫理と見世物的欲求のせめぎ合い」と  環境と人間関係の関連性・白人の外国感に関する一考察を   目の当たりにする機会をもたらしました。    (論理性よりも「倫理」を重んじた決着の付け方が  微笑ましくも苦い後味を生んでいる点も見逃せません。)  まさに「恋愛映画界」史上屈指の挑発者と  呼びたくなる作品であると言えるでしょう。  恋愛喜劇&愛憎劇の王道・1930年代の世界情勢&映画事情  大衆娯楽の本質がぶつかり合うことによって  時代を映す鏡の一つとなると同時に  1970年代に訪れた「映画反抗期」の  静かなる先達となった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。