映画に感謝を捧ぐ! 「この森で、天使はバスを降りた」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はリー・デビッド・ズロートフ監督の「この森で、天使はバスを降りた」に
感謝を捧げようと思います。
刑務所を出所し、人生をやり直そうとする女性「パーシー・タルボット」と
彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は
幻想美と現実の苦味が交錯する人情劇であります。
西部劇の定番要素をホームドラマ風に加工し
ミステリー・社会派・ファンタジー要素を加えたストーリー&キャラクター
素朴な美に溢れた風景&音楽・技巧性を抑制した映像が
穏やかに進行していく光景は
私に「地域活性化」に対する一考察・田舎町の光と闇
人情味と不人情味が微妙なバランスで共存する日常風景を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(絶望から静かに「希望」へと向かう終幕が
能天気なハッピー・エンドとは異なる神秘性を感じさせる点も見逃せません。)
まさに「女性映画風おとぎ話」と呼びたくなる一作であると言えるでしょう。
原題にはない「文学的ムード」に溢れた邦題と
和やかでありながらも苦味の利いた作品世界に心打たれる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。