映画に感謝を捧ぐ! 「マッケンジー脱出作戦」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はラモント・ジョンソン監督の「マッケンジー脱出作戦」に
感謝を捧げようと思います。
シドニー・シェリーの同名小説をもとにして作られた本作は
逆転の発想が生んだ戦争映画であります。
1963年の映画「大脱走」の設定を反転させ
軽量化することによって
新たなる脱走映画を生み出そうという試みは
私に「捕虜収容所」で運営することの難しさと
過去作に学びつつ、独自の目線を持つ作劇法の醍醐味を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(敵同士でありながら「孤独」という共通項で結ばれた男二人の姿が
王道的ハッピー・エンドに皮肉な味わいを与えている点も見逃せません。)
まさに「知的ゲーム系戦争映画界」の静かなる実験作であると
言えるでしょう。
1970年代のアメリカ映画界を覆う「反抗精神」と
アメリカ流娯楽映画の伝統「連合軍礼賛精神」が
奇妙なバランスで共存する本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。