映画に感謝を捧ぐ! 「攻撃」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はロバート。アルドリッチ監督の「攻撃」に  感謝を捧げようと思います。 ノーマン・ブルックスの舞台劇「FRAGILE FOX」を  もとにして作られた本作は    第2次世界大戦期のヨーロッパを舞台に  1973年の映画「仁義なき戦い」に通じる人間模様が  繰り広げられる異色の戦争映画であります。  戦争映画の王道に即した演出を駆使しながら  「劣等感&野心」に支配されたリーダーに翻弄されながら  最善を尽くそうとする男たちの悲劇を描くという試みは  私に、暴力的でありながらも繊細な物語に触れる機会と  娯楽的スリルを保ちながら「男」の強さと弱さを表現する妙技を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (「アメリカ映画的ハッピー・エンド」に歩み寄りながら  土壇場で踏み止まるかのような幕切れが  作品のメッセージ性と苦味を深めている点も見逃せません。)  まさに「男心」の光と闇・個人の倫理観と組織の論理が  壮絶にせめぎ合う戦争映画であると言えるでしょう。  戦意高揚映画・反戦映画の枠を越え  組織論の領域に到達した本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。