映画に感謝を捧ぐ! 「テラー・トレイン(1980年版)」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はロジャー・スポティスウッド監督の「テラー・トレイン(1980年版)」に  感謝を捧げようと思います。 周遊列車で行われる「卒業記念パーティー」に参加した  医大生一行と彼らを取り巻く人々の運命を描いた本作は  多彩な顔を持ったホラー映画であります。  「走る密室」列車と「仮装パーティー」を  サスペンス・ホラー的に活用する知略  論理性の枠に捕らわれることなく「トリック」と  残酷描写を繰り出す豪快さ  和やかでありながらも背徳的な「パーティー」と  連続殺人を組み合わせることによって  若者たちの無軌道性・トラブル対応の難しさ  集団行動の秘めたる盲点を写し出す  社会性が一体となる光景は  私に「愛と殺意の近似性」・「ホラー映画における(雰囲気作り)の重要性」  「学歴と倫理のアンバランスがもたらす悲劇」を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (情緒や後日談に溺れず、静かに幕を閉じる潔さが  作品の軽量映画的味わいを高めている点も見逃せません。)  まさに「1980年代流旅行系ホラー」の  歴史に輝く一作であると言えるでしょう。  「ホラー女優J・L・カーティス」の誕生  映画編集者R・スポティスウッド氏の初監督作という    映画史的意義と  トラベルミステリー&青春ホラーの魅力を兼ね備えた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。