映画に感謝を捧ぐ! 「周遊する蒸気船」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョン・フォード監督の「周遊する蒸気船」に  感謝を捧げようと思います。    ベン・ルシアン・バーマンの小説「端を回った蒸気船」を  もとにして作られた本作は  ユーモアと活劇性に溢れた人情劇であります。  「誤解によって死刑にされた甥っ子を救う」という  サスペンス的な状況に  人情喜劇・スポーツ映画・冒険映画の要素を加え  軽快且つ明瞭なる映像技で映画化するという試みは  私に「危機におけるアイデア&ユーモア精神の効能」と  悲劇と喜劇の秘めたる類似性を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (情緒を抑制したクール&コミカルな決着→幕切れでありながら  娯楽的高揚感を保ち続けている点も見逃せません。)  まさに「冒険活劇型人情喜劇」の雄であると言えるでしょう。  娯楽映画を形成する様々な要素・歴史的小ネタ  1890年代のアメリカ事情を網羅しつつ  わかりやすさ&スピード感を失う事なく進行する物語が心地良い本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。