映画に感謝を捧ぐ! 「ホワイト・ドッグ 魔犬」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はサミュエル・フラー監督の「ホワイト・ドッグ 魔犬」に
感謝を捧げようと思います。
ロマン・ギャリーの小説「白い犬」を
もとにして作られた本作は
娯楽性とメッセージ性が絶妙のバランスで共存する
異色の動物映画であります。
サスペンスの緊張感・ホラーの残虐性
社会派的メッセージ・人情系動物映画の感動
アクションの躍動感・反戦映画の気配が
一本の映画内で共存する光景は
私に「環境」が生物に与える影響・暴力性と理性&人情と秩序のせめぎ合い
人間社会に潜む「怪奇要素」・「調教」の危険な舞台裏を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「諸悪の根源」が断罪されないストーリー展開と
希望の光を一瞬で「絶望」へと変える幕切れが
「闘いに生きた人間の宿命」・「現実社会の不条理」を
象徴している点も見逃せません。)
まさに「社会派モンスター映画」史上屈指の
過激さと冷徹さを持った作品であると言えるでしょう。
皮肉なまでに雄々しい外見と
人間に勝るとも劣らぬほどの熱演ぶりを兼ね備えた「ホワイト・ドッグ」と
彼?を取り巻く人々の人間模様が
人間社会の病理によって蝕まれていく「自然」をえぐり出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。