映画に感謝を捧ぐ! 「仁義なき戦い 頂上作戦」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は深作欣二監督の「仁義なき戦い 頂上作戦」に  感謝を捧げようと思います。  飯干晃一の実話系小説をもとにして作られた  人気シリーズの4作目となる本作は  「宿命の重み」と時代の変化を写し出す極道映画であります。  シリーズ化作品特有の「パターン化」の潮流に飲み込まれながらも  狡猾な味方に翻弄されながら「組織」を守ろうとする人間の孤独  「情報を支配し、策謀する上層部&全体像を知らぬまま闘う兵士」という構図  人間による「暴力」が人間のコントロールを失う現象  「社会の安定&暴力の肥大化」による清濁併せのむ世界の終焉  「ビジネスが男気を食いつぶす」世界の完成系を  映像化しようという試みは  私に「東映流量産システム」に適合しつつ  作家性を貫くための苦闘と  暴力団抗争を通じて「戦争の真実」に肉薄したが故に  物語が混沌化」してしまう光景を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (民主的勢力の介入がもたらした  「口先だけの人間が勝利する」決着と  抗争の終わりを示しつつ  「戦争」を生む根源が未だ消えていないことを  暗示する幕切れが  怪奇映画のような不気味さを放っている点も見逃せません。)  まさに「時代の終わりと始まり」を暴力的に描いた  シリーズ第4章であると言えるでしょう。  人間味溢れる強面俳優陣&痛みを感じさせる暴力描写  第2次大戦直後の日本を暴力的に表現した物語によって  脚本家、笠原和夫氏にとっての「仁義なき戦い」  最終章となる本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。  追伸 本作において「経済至上主義時代の幕開け」を  体現した暴力団組長「打本昇」を好演した  「日本脇役俳優の雄」加藤武氏に  謹んで哀悼の意を表します。