映画に感謝を捧ぐ! 「スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねぇ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は弓削太郎監督の「スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねぇ」に  感謝を捧げようと思います。  1961年の流行歌「スーダラ節」を  もとにして作られたとされる本作は  時代の空気とサクセス・ストーリーに対する  変化球的な目線が生んだ喜劇映画であります。  企業内の出世競争をユーモラスに描きつつ  人生の奥深さを示したストーリー  小ネタ&挿入曲のアイドル映画的活用法  植木等氏の突っ込み&存在感の妙  「憎まれ役」に依存しない情のあるキャラクター造形が  一体となる光景は  私に「サラリーマン社会の光と闇」・「和製喜劇の醍醐味」  「原作の内容よりも精神を重視した脚色法」を満喫する機会をもたらしました。  (社会派的メッセージを「笑い所」に転じる手法と  アメリカ映画流サクセス・ストーリーを皮肉るかのような幕切れが  作品の持つ「落語&仏教的ムード」を高めている点も見逃せません。)  まさに「アイドル映画の衣を纏った人情劇」と呼びたくなる  一作であると言えるでしょう。  ドタバタ喜劇・風刺劇・舞台芸・ミュージカルを日本的に融合させ  軽やかに進行させた本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。