映画に感謝を捧ぐ! 「エデンの東」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエリア・カザン監督の「エデンの東」に
感謝を捧げようと思います。
ジョン・スタインベックの同名小説を
もとにして作られた本作は
対照的な存在が交わることによって生じる
化学反応が生んだ家族劇であります。
愛憎渦巻く人間模様と
西部劇+アイドル映画風の映像&上品な音楽
宗教的ムードと反戦映画の気配
主演男優J・ディーンの繊細な風貌&アウトロー的熱演が
絶妙のバランスで交わり合う光景は
私に「明瞭且つ素朴な自然美」が陰性のストーリーを引き立てる現象
「愛&正義漢」によって生じる不寛容の恐怖
伝統的美意識と時代性のせめぎ合いを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「万事解決のハッピー・エンド」に背を向けつつ
希望の光を宿す幕切れが
作品の現実感を高めている点も見逃せません。)
まさに「陰鬱系ホームドラマ」の歴史に輝く強豪作であると言えるでしょう。
「善良さ」によって人間関係が破壊され、再生していく過程を
聖書・第1次大戦期のアメリカ事情・世代間の断絶を
組み合わせながら描くことによって
1960年代後半~70年代のアメリカ映画に
通じる道を切り開いた作品となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。