映画に感謝を捧ぐ! 「エデンの東」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はエリア・カザン監督の「エデンの東」に  感謝を捧げようと思います。
エデンの東 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ
2010-04-21

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 ジョン・スタインベックの同名小説を  もとにして作られた本作は  対照的な存在が交わることによって生じる  化学反応が生んだ家族劇であります。  愛憎渦巻く人間模様と  西部劇+アイドル映画風の映像&上品な音楽  宗教的ムードと反戦映画の気配  主演男優J・ディーンの繊細な風貌&アウトロー的熱演が  絶妙のバランスで交わり合う光景は  私に「明瞭且つ素朴な自然美」が陰性のストーリーを引き立てる現象  「愛&正義漢」によって生じる不寛容の恐怖  伝統的美意識と時代性のせめぎ合いを  目の当たりにする機会をもたらしました。  (「万事解決のハッピー・エンド」に背を向けつつ  希望の光を宿す幕切れが  作品の現実感を高めている点も見逃せません。)  まさに「陰鬱系ホームドラマ」の歴史に輝く強豪作であると言えるでしょう。  「善良さ」によって人間関係が破壊され、再生していく過程を  聖書・第1次大戦期のアメリカ事情・世代間の断絶を  組み合わせながら描くことによって  1960年代後半~70年代のアメリカ映画に  通じる道を切り開いた作品となった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。