映画に感謝を捧ぐ! 「ケイン号の叛乱」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエドワード・ドミトリク監督の「ケイン号の叛乱」に
感謝を捧げようと思います。
ハーマン・ウォークの同名小説を
もとにして作られた本作は
硬軟のバランス感覚を保ちながら進行していく
戦争映画であります。
1本の戦争映画に
閉鎖空間における人間心理・「狂気」の成長過程
「勝訴=正義に非ず」の法則・作家性の暗黒面を詰め込みつつ
娯楽性&アメリカ軍礼賛要素を保とうとする
スタッフ・キャスト陣の奮闘ぶりは
私に「与えられた枠内で最善を尽くす」事の難しさと
正義と環境の密接な関係を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(主演男優H・ボガードの段階的怪演ぶり
勧善懲悪的決着に冷や水をかける「後日談」
爽やかでありながらもブラック・ユーモア的な幕切れが
娯楽性とメッセージ性を共存させる事の難しさを
示している点も見逃せません。)
まさに「空間限定系戦争映画」の静かなる強豪作で
あると言えるでしょう。
戦争映画でありながら「室内劇重視」で進むストーリーと
軍隊に配慮しながら「軍隊の危険な舞台裏」を写し出す
軽業師ぶりに驚かされる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。