映画に感謝を捧ぐ! 「エクセス・バゲッジ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマルコ・ブランビヤ監督の「エクセス・バゲッジ」に
感謝を捧げようと思います。
富豪令嬢の偽装誘拐計画がもたらす
珍騒動を描いた本作は
恋愛喜劇系加工術の一端を示す作品であります。
犯罪サスペンスのストーリー&キャラクターに
青春映画&ドタバタ喜劇要素を加え
穏やかな音楽を流し
定番的アクション・シーンを極限まで緩める事によって
和やかなラブ・コメディへと変化させる光景は
私に「犯罪映画の男たち」が無軌道なヒロインに振り回される現象と
シリアスとコミカルをつなぐ「見えざる絆」に
接する機会をもたらしました。
(ヒロイン一家の裏事情を曖昧化したまま迎える「ハッピー・エンド」が
組織犯罪と闘うことの難しさを暗示している点も見逃せません。)
まさに「サスペンス風恋愛喜劇」の歴史に輝く
珍味であると言えるでしょう。
「犯罪者」として生きる男たちの愚かしさ
素人犯罪特有のミス・暴力と笑いの奇妙な関係
恋愛映画の王道に秘められた「混沌」を
ユーモラスに写し出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。