映画に感謝を捧ぐ! 「マタンゴ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は本多猪四郎監督の「マタンゴ」に
感謝を捧げようと思います。
ウィリアム・H・ホジスンの小説「夜の声」を
もとにして作られた本作は
各種娯楽映画の特性と文学性が共存する
異色のモンスター映画であります。
怪獣映画の技法・異常心理劇・青春映画・依存症映画の精神
冒険映画的風景・ホラー映画的モンスター造形が
絶妙のバランスで配合されることによって生じる「怪奇的化学反応」は
私に異文化交流の醍醐味・閉鎖空間における人間心理
娯楽的サービス精神と教訓性の平和的共存の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「ハリウッド流ハッピー・エンドの衣を纏った悲劇」と
名状したくなるような幕切れが
理性がもたらす孤独&集団に染まる快楽を
象徴している点も見逃せません。)
まさに「精神系怪談」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
ホラー映画的人体破壊描写とは異なる「怪奇恐怖」
「愛&幸福」についての一考察
お化け屋敷的見世物精神が一堂に会した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。