映画に感謝を捧ぐ! 「危険な愛の季節」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアラン・ブリッジス監督の「危険な愛の季節」に  感謝を捧げようと思います。 海沿いの宿屋に住む母娘と母の元恋人「ジョー」の  運命を描いた本作は  穏健にして陰鬱な人間模様であります。  背徳的な人間関係&会話を繰り広げながらも  上品さ&穏やかさを失わないストーリー&演出は  私に「品のある外見」によって内面の陰鬱さが引き立てられる現象と    第三者の介入による人間関係崩壊の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (クールにして壮絶な「どんでん返し」と  「結論」を巧みに曖昧化した幕切れが  ポルノ的な物語に「文学性」を与えている点も見逃せません。)  まさに「ホームドラマ系愛憎劇」史上屈指の静かなる恐怖に満ちた  作品であると言えるでしょう。  背徳的な男女関係を描きつつ  「性描写」を自然な形で抑制する知略と  閉鎖空間特有の人間関係を「恋愛映画的」に示す技巧を  兼ね備えた本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。