映画に感謝を捧ぐ! 「プレッジ」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はショーン・ペン監督の「プレッジ」に  感謝を捧げようと思います。 フリードリヒ・デュレンマットの小説「約束」を  もとにして作られた本作は  サスペンス映画を静かに皮肉った過激作であります。  容疑者の自殺によって解決したとされる  「殺人事件」の真犯人を追うという  ミステリーの王道を「依存症」の一種として描いたストーリーと  技巧的でありながらも寒々とした演出が一体となる光景は  私に、犯罪がもたらす「間接被害」の一端  正義と狂気の類似性・愛に潜む「悪魔」の存在  犯罪映画のスリル&サスペンスが「娯楽的嘘」の産物であるということを  目の当たりにする機会をもたらしました。  (主演男優J・ニコルソンの静かなる怪演と  正義を求める主人公を冷徹に突き放す幕切れが  「犯罪捜査」の世界に生きる人間の宿命を  写し出している点も見逃せません。)  まさに「ブラック・ユーモア系ミステリー映画」界の  冷酷なる過激派であると言えるでしょう。   殺人事件の真実を追い求めることによって「人生」を失う主人公と  妥協によって救いを得る仲間たちの姿が  勧善懲悪映画の「狂気」を暴き出していく姿に  戦慄と空しさを禁じ得ない本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。