映画に感謝を捧ぐ! 「クローン(2001年版)」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はゲイリー・フレダー監督の「クローン(2001年版)」に  感謝を捧げようと思います。  フィリップ・K・ディックの小説「にせもの」を  もとにして作られた本作は  特殊な皮肉に彩られたSF映画であります。  未来形SF的装飾と現代風アクションの融合  ローテクの逃亡法に翻弄されるハイテクの追跡装置  「戦闘系科学者」として描かれた主人公  異星人を登場させずに「異星人による地球侵略」を描く法」が  一体となる光景は  私にSF映画における「論理性と娯楽性の共存の難しさと  「娯楽映画の王道」に即しながら娯楽映画をからかう現象を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (「論理性よりも映像的インパクトを重視した決着」  「ハッピー・エンド要素を挿入するための後日談」が  作品のブラック・ユーモア性をより鮮明にしている点も見逃せません。)  まさに「巻き込まれサスペンス入り地球侵略SF」史上屈指の  珍品であると言えるでしょう。  F・K・ディックが長年追い求めてきたテーマ  自爆テロの時代・巻き込まれ&どんでん返しサスペンスの伝統が  一堂に会した本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。