映画に感謝を捧ぐ! 「エトセトラ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はヤン・シュヴァンクマイエル監督の「エトセトラ」に
感謝を捧げようと思います。
「翼」・「鞭」・「家」をテーマにした
短編で構成されている本作は
サイレント映画の技とトーキーの技術を組み合わせることによって
視覚・聴覚を挑発するアニメーション映画であります。
台詞により状況説明に依存せず
アニメーション的動作&効果音だけで
不安感と想像力をかき立てる手法は
私に、詳細に説明しないことによって
能を活性化させると同時に
「精神的スケール感」が広がっていく現象に
接する機会をもたらしました。
(サスペンス映画的映像技と
白黒映像の特性を生かした幕切れが
高揚感と妖気の入り混じった感情をを誘発する点も見逃せません。)
まさに「動画系文学映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
言葉以上の「物語性」を感じさせる動きと
日常的な音でありながら
サスペンス&ホラー風味を感じさせる効果音が
チェコの歴史&ヨーロッパの文化史の一端と
物理的制約によって精神の幅が広がっていくことの素晴らしさを写し出す本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。