映画に感謝を捧ぐ! 「卒業試験(1974年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジギー・ローテムント監督の「卒業試験(1974年版)」に
感謝を捧げようと思います。
夏休みに帰郷した少年「パトリック」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
不思議な魅力を感じさせる官能映画であります。
青春映画&ホームドラマ的状況とポルノ的表現法
ストーリー的には「肩すかし系」でありながらも
映像技とアイデアによって存在感を放つレスビアン描写
人情劇・愛憎劇・ホラー要素を網羅したキャラクター
背徳的な性的関係と観光旅行映画のムード
上品さ・ユーモア・躍動感に溢れた音楽が一体となる光景は
私に「愛と性衝動の複雑な関係」と
家族劇・怪奇恐怖・エロティシズムをつなぐ「絆」を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(邦題の意味を皮肉な形で表現した後で訪れる
ブラック・ユーモア的な幕切れが
人間的成長の一形態を示している点も見逃せません。)
まさに「官能系サクセス・ストーリー」の一翼を担う
珍品であると言えるでしょう。
背徳的&性的な人間模様によって
過渡期の悩みから「解放」されていく主人公と
不気味さと和やかさを兼ね備えた大人たちの姿に
「罪深き癒し要素」を感じてしまう本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。