映画に感謝を捧ぐ! 「マイ・ドッグ・スキップ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジェイ・ラッセル監督の「マイ・ドッグ・スキップ」に
感謝を捧げようと思います。
ウィリー・モリスの自伝小説をもとにして作られた本作は
「人生の通過儀礼」を静かに描いた実話系映画であります。
戦争&人種隔離の時代を舞台にしながら
社会派的メッセージを抑制し
「少年&犬」の目線で描く事に徹したストーリーと
技巧的表現を抑制した穏健且つ自然な映像が一体となる光景は
私に、娯楽映画の伝統芸に忠誠を誓いつつ
「第2次大戦期のアメリカ南部事情」を写し出す手法と
派手な映像表現に依存することなく「娯楽性」を維持することの
素晴らしさに接する機会をもたらしました。
(悲劇とハッピー・エンドの間で中立を保つかのような幕切れが
人生の神秘性を象徴している見逃せません。)
まさに「ホームドラマ系おとぎ話」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。
「悲劇性&英雄性」に溺れず、日常を積み重ねていくことによって
子供と大人の距離感・時代に翻弄される庶民・戦争の闇を写し出す本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。