映画に感謝を捧ぐ! 「リオ・グランデの砦」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・フォード監督の「リオ・グランデの砦」に
感謝を捧げようと思います。
ジェームズ・ワーナー・ベラの小説「記録なき作戦行動」を
もとにして作られた本作は
マイペースな作風でありながらも
時代の変化を感じさせる西部劇であります。
砦系西部劇の方程式に沿った世界で
「戦争映画→人間模様→殴り込み映画」というストーリー展開
「J・ウェイン的ヒーロー性の抑制」・ネイティブ差別的表現法の減少が
繰り広げられるという状況は
私に「J・フォード監督&J・ウェインの名コンビぶりと
彼らを支える常連脇役陣の魅力を堪能しつつ
西部劇の歴史における「変革の予兆」に
触れる機会をもたらしました。
(英部劇の王道を行く「ハッピー・エンド」に
ささやかな加工を施した幕切れが
結果至上主義に対するある種の皮肉を放っている点も見逃せません。)
まさに「アメリカ西部劇の伝統芸」を前面に打ち出しつつ
その限界を示した作品であると言えるでしょう。
「J・フォード組」の持ち味を発揮した作りであるにもかかわらず
西部劇衰退の前触れを感じさせる作品となってしまった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。