映画に感謝を捧ぐ! 「ボギー! 俺も男だ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はハーバート・ロス監督の「ボギー! 俺も男だ」に
感謝を捧げようと思います。
ウディ・アレンの舞台劇を彼自身の脚色によって映画化した本作は
映画愛と喜劇技術に溢れた恋愛喜劇であります。
1942年の映画「カサブランカ」の世界に
W・アレン的会話術&都会性と
「キートンのセブン・チャンス」などを駆使した
映画的小ネタを配合することによって
人情喜劇へと変換させるという試みは
私に、過去作に学びつつ個性を発揮する作品の醍醐味と
トーキーとサイレントの持つ「喜劇要素」の平和的融合を
同時体験する機会をもたらしました。
(作品の本質を的確に捉えた邦題と
H・ボガードへの憧れを胸に抱きつつ
自分の男道を行く幕切れが
ハードボイルド+コメディ的な感動を呼び起こす点も見逃せません。)
まさに「人情系パロディ映画」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
H・ロス&W・アレンの舞台気質と
後年の「アニー・ホール」に通じるキャスティングによって
外見以上のマニア性&メッセージ性を持った恋愛喜劇となった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。