映画に感謝を捧ぐ! 「カジノ・ゾンビ BET OR DEAD 」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はコリン・ゼイズ監督の「カジノ・ゾンビ BET OR DEAD 」に  感謝を捧げようと思います。   スティーヴ・ナイルズのグラフィック・ノベル「Remains」を  もとにして作られた本作は  ゲーム感覚にあふれながらも  ゾンビ映画の精神を受け継いだホラー映画であります。  「観光地のカジノとその周辺」に的を絞って進行する  ストーリー&アクションが  賭博産業と動物的本能の関係・暴力支配の限界  人間関係形成&崩壊の構図・闘いの麻痺性を  えぐり出していく現象は  私に「ゾンビ映画本来の恐怖」を思い出させる機会と  「伝統芸と時代性の平和的共存」の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (物語後半における「ヒロイン交代」と  「ターミネーター」等の戦闘系ヒロイン映画の定番を  逆手に取った幕切れが  作品のブラック・ユーモア性を高めている点も見逃せません。)  まさに「2010年代流地域限定ホラー」の静かなる珍味であると  言えるでしょう。  エネルギッシュで人間味溢れるゾンビ集団の勇姿と  二転三転する人間関係が  ゾンビ映画の方程式に即した作品世界に味わいを与える姿に  驚きを禁じ得ない本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。