映画に感謝を捧ぐ! 「ヒューマン・ボム(2008年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエリン・ペリー監督の「ヒューマン・ボム(2008年版)」に
感謝を捧げようと思います。
元軍人「ジェイソン・ピアース」の奇妙な運命を
描いた本作は
鑑賞者の頭脳&精神に挑む怪作であります。
「エピソード・宗教&哲学的発言」を時系列&論理性を無視してつなぎ合わさる手法
病的なまでに攻撃的な主人公
凄まじいほどに技巧過多な映像&音声表現が一体となる光景は
私に「現実と幻想・過去と未来を行き来する」感覚
主人公に嫌悪を抱きながら同情してしまう現象
作中の情報を分析し、推理しながら映画を鑑賞する機会を
もたらしました。
(主人公と鑑賞者を静かに突き放す幕切れが
人間社会の複雑怪奇さと精神&記憶の無力さを
体現している点も見逃せません。)
まさに「精神修業型サスペンス映画」と呼びたくなる
一作であると言えるでしょう。
盛り上げ・感情移入・明瞭な解答といった
政府&軍隊に対する潜在的不信感
「娯楽的サービス」を極限まで拒否する勇気
「ワンシーン」を複数回活用しやすい
ストーリー形態にする知略&省力化精神が生んだ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。