映画に感謝を捧ぐ! 「殺したいほどアイ・ラブ・ユー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はローレンス・カスダン監督の「殺したいほどアイ・ラブ・ユー」に  感謝を捧げようと思います。 1984年のペンシルベニア州で起きた  殺人未遂事件をもとにして作られた本作は  後年の「ファーゴ」などに通じる  黒い和やかさに包まれた実話系映画であります。  妻を愛しながら浮気を重ねる複雑な男心  素人犯罪特有のミス  人間の持つ生命力の底知れ無さを  ドタバタ喜劇・ホームドラマ・サスペンスの手法を  融合させながら描くという試みは  私に「愛と性衝動の関係」・「愛情と憎悪の近似性」  「犯罪依頼&家庭円満の心得」を    ブラック&ライトなユーモアで写し出す妙技を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (R・フェニックスの繊細さ&K・リーブスの純朴さが  有効活用されている点と  ラブ・コメディ風味と哀愁が共存する  味わい深い幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「暴力的人情喜劇」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。  怪物的な生命力&幸運によって愛に目覚めた軽薄男と  彼を取り巻く暴力的でユーモラスな人々の姿に  心癒される本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。