映画に感謝を捧ぐ! 「大襲撃(1956年版)」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はカート・ニューマン監督の「大襲撃(1956年版)」に  感謝を捧げようと思います。 ボストンからやってきた白人画家と  ネイティブ女性の奇妙な運命を描いた本作は  1950年代のアメリカ映画事情の中で  白人=善・ネイティブ=悪という図式に抗おうとする  挑戦者精神に心打たれる西部劇であります。  アメリカ西部劇の十八番「白人とネイティブの闘い」を  自分本位な白人男性&嫉妬心の強いネイティブ男性の暴走に  巻き込まれた人々の悲劇と  異人種間恋愛の難しさを描いた物語にするという発想は  私に、恋愛劇と王道西部劇が奇妙なバランスで共存する光景と  西部劇の図式を利用して「戦争の馬鹿馬鹿しさ」を説く妙技を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (アメリカ映画界のハッピー・エンド&ロマンス好きを  象徴するかのような幕切れへと着地している点も見逃せません。)  まさに「ラブ・コメディ&アクション西部劇」と呼びたくなる  珍品であると言えるでしょう。  複数女性とのロマンスを楽しむ男が  白人とネイティブに「和平への道」をもたらすというストーリー展開が  アメリカ的娯楽精神とブラック・ユーモアの入り交じった味わいを感じさせる本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。