映画に感謝を捧ぐ! 「スリーウェイ 誘う女たち」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はスコット・ジール監督の「スリーウェイ 誘う女たち」に
感謝を捧げようと思います。
ギル・ブリュワーの小説「誘う女たち~共謀~」をもとにして作られた本作は
暇つぶしの枠内に留まる堅実さと
エロティシズム&バイオレンスの気配で鑑賞者を誘う
したたかさを兼ね備えた犯罪映画であります。
欲望と愚かしさに支配された男&知略・精神力に長けた女というキャラクター造形
犯罪映画的ご都合主義をスピードで補うストーリー展開
エロティシズム&暴力描写を抑制した
場違いなまでに穏健な映像が一体となる光景は
私に「男尊女卑の仮面を被った女尊男卑」の醍醐味と
素人犯罪特有のミスを的確に突きつつ
大衆的欲求に「肩すかし」を喰わせる妙技を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「勝てば官軍」精神に満ちあふれた幕切れが
「歴史の影に女有り」を体現している点も見逃せません。)
まさに「女権犯罪映画」の一翼を担う軽量作品であると言えるでしょう。
「ファーゴ」・「ワイルドシングス」等の流れを汲みつつ
女性の「背徳的才能」を写し出した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。