映画に感謝を捧ぐ! 「三つ巴事件」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はチャールズ・チャップリン&レオ・ホワイト監督の
「三つ巴事件」に感謝を捧げようと思います。
C・チャップリン扮する使用人と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
複雑怪奇な制作過程によってC・チャップリンの「非公認」主演作となった
サイレント喜劇であります。
C・チャップリンの未完成作&過去作と
レオ・ホワイト監督作をつなぎ合わせて
一本の映画とする事によって発生した
「陰謀渦巻くサスペンスと緩やかなドタバタ喜劇が
交互に進行する」現象は
私に「娯楽映画的知略」の一端と
危険な陰謀が「喜劇的」に粉砕されていく光景を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(突如として現れた「ギャグ漫画の香り漂う幕切れ」が
作品の覆う混沌をより鮮明化している点も見逃せません。)
まさに「継ぎ接ぎ系サイレント喜劇」の歴史に残る
珍作であると言えるでしょう。
後年の「死亡の塔」等に通じる面妖さと
映画史初期の「貪欲なるエネルギー」を感じさせる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。